耳の病気
耳について
耳は、外耳、中耳、内耳の3つの部分で構成されています。外耳は、耳(耳介)や外耳道(耳穴)から鼓膜手前までの領域で、中耳に音(空気の振動)を伝える役割があります。中耳は鼓膜から、その奥にある耳小骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)と鼓室(中耳腔)から成る領域で、この鼓室に収まっている耳小骨は同室で鼓膜の振動を増幅して内耳に伝える役割があります。そして内耳は、耳の一番奥にある部分で、聴覚を担当する蝸牛と平衡感覚を担当する前庭・三半規管で形成されています。
このように耳は「音を聞く」という機能だけでなく、体の「平衡感覚」をつかさどる半規管(外側半規管、前半規管、後半規管)と連結している大切な感覚器官でもあります。
こんな耳の症状はご相談ください
- 耳が痛い
- 耳が痒い
- 耳だれが出る
- 耳あかが溜まっている
- 耳がつまった感じがする
- 耳鳴りがする
- 聞こえが悪い
- 顔が動かない など
耳の主な病気
突発性難聴
片側の耳の音を感じる細胞になんらかの障害が起こり、突然に聞こえが悪くなる病気です。難聴という症状は「聞こえない」という自覚のときもありますが、「急に耳にふたをされた感じ」などと自覚されることもあります。副症状として耳鳴り、めまい、吐き気、嘔吐があります。
突発性難聴の原因はわかっていませんが、これまでの研究から内耳循環障害とウイルス性内耳炎が有力な病因と考えられています。
治療の基本は、副腎皮質ステロイドの点滴または内服治療で、さらに内耳の循環を良くするATPなどの血管拡張薬やビタミンB12などを併用します。
突発性難聴の治療は、1週間以内に治療を開始した場合に効果が高いとされており、早期の治療開始が重要です。
低音障害型感音難聴
内耳の障害が原因で急に聞こえが悪くなったり、耳がつまった感じがする病気です。原因は内リンパ水腫といわれていて、ストレスや過労が引き金になって発症することが多いです。数日から数週で治る方が多いのですが、長引いたり、繰り返したりすることもあります。ストレスが引き金になることが多いので、ストレス難聴ともいわれます。
治療は内耳の循環を良くするATP、ビタミンB12、ステロイド剤、イソバイドを適宜組み合わせて内服します。
多くの場合、数日から数週間以内で治りますが、中には長引くタイプ、繰り返すタイプもあります。この疾患から、同じ内リンパ水腫が原因で起こるメニエール病に移行することもあります。